【スターゲイザー】感想|デビューを目指す彼らが生きる世界 ずっとずっと輝いていて

 デビューを目指すリトルたちの間に噂が駆ける…

「デビュー間近のラスオズにリトルから1人選抜してデビューさせる」

本当か…

デビューを強く願う者、人の才能を羨み傷つく者

僕らは傷つくことでしか輝けないのだろうか。

デビュー前の練習生の世界が覗ける、青春アイドル小説

「スターゲイザー」の魅力を語ります。

作品情報

タイトル スターゲイザー

著者   佐原 ひかり

出版社  集英社

発売日  2024/9/26

ページ数 336

Kindle Unlimited 対象外

Audible      対象外

あらすじ

 芸能事務所「ユニバース」のアイドル練習生「リトル」

レッスンのほか、テレビ、雑誌、ラジオ、公演の準備と忙しくしている。

学業と両立をしながら、リトルとしての活動の姿勢はそれぞれ違う。

夏公演「サマーマジック」初日。

加地透(かじとおる)は噂を耳にする。

「デビュー間近のラスオズにリトルから追加してデビューさせる」

デビューを目指す者にとってこの噂は真実であってほしいだろう。

何のためにデビューするのか。

デビューがすべてなのか。

悩み傷つく彼らが見る先にあるもの。

カメラが回っている場所よりさらに奥

素の彼らが生きる世界とは…

感想

物語は登場人物の視点が章ごとに変わっていきます。

複数人の視点で語られるので、こんなことを考えていたのかと確認できるのが嬉しい。

各章それぞれにドラマを見ているようなシーンがあるので、読むのを中断できません。

アイドル小説なんてお目にかかれないから、読んでいて新鮮で楽しかった。

とにかくみんな良い子たち

親戚の子供を微笑ましく見ているおばちゃんみたいに言いますと、

リトルは良い子たちばかりです。

他人の長所を見つけるのがとにかく上手い。

グループは違えど、周りの様子をよく見ているなと。

悲しいのが自分への評価が厳しすぎるところ。

ネットでエゴサして、ファンのアンチコメント読んじゃうよね。

そこで気づくこともあれば、傷つくことだってある。

ファンとしては応援することしか出来ないので切なくなりましたね。

あんまり傷つかないでって。

個性豊かなキャラクター

「体幹フラミンゴ」とか「ユニバース史上最高のイケメン」とか

著者のワードセンスが光っていて吹き出してしまうことも。

私の最推しは加地透くん。

彼はストイックですが自分を追い詰めることなく、

何事もそつなくこなす天才です。

しかし天然という、またも強い武器を持ち合わせており

人間味があって魅力的なリトルです。

もうひとり気になるのが真田蓮司(さなだれんじ)

芸能業界に身を置く両親を持つサラブレットで、トレードマークはピンクのヘアカラー。

ぶっきらぼうだけどちゃんと周囲を評価していて憎めない。

彼の視点から語られる章のラストはすごく良かった。

ほんと、もうすごく大好きなシチュエーションでした。

しかし彼を翻弄するキャラもいて

恋の一方通行を見せられてるのかなと思いました。

気づかないふりなんてしないで

どんな人だって今日は今日だけで、明日はまた違う1日が来る。

やりたいことがあるなら

他人や自分の評価なんか気にしないで突っ走ってほしいと思います。

最終話の主役、「若さま」こと若林優人を見ていて感じました。

青春はあっという間。

今日できることは今日する。

自分の立場から抜け出せずに手が回らなくても

仕方ないなんて自分を納得させないで。

そしてもっと周りに頼って。

あなたのワガママなんてワガママの内に入らないんだって。

若さまの話は涙が滲んで、一緒に駆け抜けている気さえして感情移入しました。

やりたいことがあれば今しかないのだと、気づかせてくれるラストでした。

ずっとずっと輝いていて

契約更新するのかな…

ファンとしては、考えたくないこともありますよね。

ふとした時に思い出しては頭の隅に追いやって…

ファンやってると色んなことがあって、些細なことで炎上したり

今まで見てきた推しの像が崩れてしんどくなることもあるんですね。

でもこの作品を読んで、どんな時も感謝の気持ちを持っていようと思いました。

ハードスケジュールの中、ステージを完璧に仕上げて魅了してくれる。

「期待していてください」というその言葉は当たり前ではない。

忙殺された日々の中、作り上げた儚くて美しい終わりある楽園を

ファンも全力で楽しみたい。

もどせないからこそ、こわくて、価値がある。

リトルである遥歌くんの言葉です。

今この瞬間を全力で過ごす。

自分の気持ちに素直になる。

大切なことを教えてくれる小説でした。

紙書籍で読みましたが、装丁がとても素敵でした。

表紙をめくると登場人物のプロフィールがカラー別にあって

読んでいてサッと確認できるところが便利。

カラーはきっとメンバーカラーですね(イメージにピッタリ)

章題のページデザインも素敵ですよ。

私がすごく好きだったのは章題そのもの。

著者の他の作品も読んでみたい!!

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