【木曜日にはココアを】感想|甘く温かい12色の幸福の瞬間に触れる

青山美智子さん初読みでしたがこれは他の作品も読まなくてはいけない、というほどの作品でした。

12話の短編が収録されていて、東京とオーストアリアを舞台に物語が展開されます。

あ、この人知ってる!というアハ体験ができ、口角が自然と上がる温かいストーリーがたくさん。

優しさに触れて癒される小説です。

作品情報

タイトル 木曜日にはココアを

著者  青山 美智子

出版社  宝島社

発売日  2019/8/6

ページ数 211

Kindle Unlimited 対象外

Audible 対象外

あらすじ

まず初めに登場するのは、ひっそりと佇む「マーブル・カフェ」の店長を務める青年。

毎週木曜に来店する女性客に片思いをしていて、その女性へ想いを募らせつつ心のこもった接客をします。

ここから物語はリレーのバトンを繋いでいくように、次の主役へと移っていき最後にバトンを受け取るのは…

感想

面白いのが次の物語にも、読者が「あっ」と感じる仕掛けが散りばめられているところ。

東京から始まった物語が海を超え、遠いシドニーへ。

青い海の岬に建つオペラハウスや、都会と自然が共存したシドニーの街並みが頭の中に広がり旅行気分を味わうことができます。

寝る前にサクッと読めて気持ちよく眠りにつけるストーリー

1編につき15分〜20分ほどで読めるので、就寝前のおともにぴったり。

夜更かしの心配もありません。

内容も暗くなく着地点があるので、心地よい眠りにつけるかと。

12編あるので2週間もあれば読めちゃいます。

1編ごとに主役が変わるので、きっと読者に近い年齢だったり置かれた環境が似ている人がいるかもしれません。感情移入して頑張ってと声援を送りたくなるはず。

また各話にキーカラーとなる色があって、その色にまつわるストーリーが楽しめます。

全部で12色。あなたのお気に入りの色は何色でしょうか。

読者も作品に参加させてもらっているような感覚が楽しめる

少し他のお話とは文体が変わる物語が2編あります。

「半世紀ロマンス」と「ラルフさんの1番良き日」です。

「半世紀ロマンス」は結婚して50年が過ぎ、ご夫婦でオーストラリア旅行に来た女性のお話。

読者に語りかける文体なので、女性と会話をしているようで楽しいです。この女性のような人生を歩めたなら、幸せだろうなと感じました。

もう1人はラルフさん。脱サラしてサンドイッチ屋さんを営む男性の恋の物語。

このお話の文体は、絵本です。

読んでいて感じたのですが、すごく懐かしくて心地いいんですね。

子ども時代に親に読み聞かせしてもらっていた絵本だわ!と気づきました。

ラルフさんの弾ける笑顔とシドニーの明るい日差しが眩しいお話になっています。

キーマンであるマスターの存在

「マーブル・カフェ」のオーナーであるマスターは実は人と人を繋ぐキーマン。

今は青年にカフェを任せて、才能ある人たちが活躍できるように展覧会を開いたり、デザインの仕事を手掛けています。

このマスターの言葉がすごく良かったんです。

夢はかなったところから現実だから。俺、夢が好きなの。

青年に店を譲る際に言った言葉。マスターのように夢を実現しては、また夢を追うなんて素敵な人生だなと思います。

マスターほど他のお話に登場回数が多い人はいないと思うので、ウォーリーを探せさながら、またいたわ!って再会を楽しめるのでぜひ最後まで読んでみてください。

素敵な表紙をありがとう

読み終わったら表紙をまた見てください。

今まで気づかなかったわ〜汗

なんて素敵なんでしょう…詳しくは書きませんが、ぜひ読んだ後に眺めてください。

マスター、次は「月曜日の抹茶カフェ」でお会いしましょう。

著者の青山美智子さん、素敵な物語をありがとうございました。

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