「神様の定食屋」を読みました
神様?
どんな料理が出てくるんだろう、楽しみだな
こんな方におすすめ
⚫︎ご飯ものの小説が好き
⚫︎笑顔になれるストーリーが読みたい
⚫︎お酒に詳しい方
⚫︎料理をするのが億劫な方
タイトル 神様の定食屋
著者 中村 颯希
出版社 双葉社
発売日 2017/6/15
ページ数 304
Kindle Unlimited 対象 2024/9/3現在
Audible 対象 2024/9/3現在
季節は冬。
冷えた体も心も芯から温めてくれる定食屋。
定食屋を訪れる客は、大切な人に伝えたかった言葉を胸に、やるせない気持ちのまま料理を口に運びます。
一体どんな奇跡が起こるのでしょうか。
定食屋「てしをや」とは
主人公の高坂哲史(こうさか てつし)は、定食屋を営んでいた両親が他界したため妹の志穂とともに、SEの職から畑違いの料理の世界へと飛び込みます。
哲史は料理がからきしダメで、志穂と意見がぶつかるのは日常。
どうしたものかと悩む中、哲史は近所の神社へ行きます。
そこで神様と出会い、成仏していない魂を紹介され哲史の体へと乗り移ります。
そして魂から料理を教えてもらい、料理人として成長していくというストーリー。
現実では考えられない展開なので、そうきますか!と驚きます。
しかし、登場するキャラクターが面白いので楽しく読めまよ!
哲史の体を借りて魂がしたいこと
この小説には6話が収録されていて、毎回違う魂が哲史に乗り移ります。
和食料理人、フランス人男性、大和撫子など、キャラクターの濃い方が多いです。
しかし皆さんこの世にやり残したことがあり、神様の説得を受け入れることなくまだ成仏できずにいました。
「食べさせたい人に自作の料理を食べさせる」
哲史の体を借りる魂は皆、この思いを遂げるためにこの世に留まっていたのです。
そして神社にやって来た哲史と魂の願いがマッチして、フュージョンを果たします(ドラゴンボール!?)
神様の存在があってこその奇跡ですが、この神様がくだけたお方でお酒が大好き。
よって哲史が持参するお酒を美味しそうに飲みます。
お酒好きな方は産地とラベルについても書かれてあるので、実際にあるお酒だとこれかな?という楽しさも味わえると思います。
このお酒が巡り巡ってストーリーに繋がっていくのが面白いんです
天たまかけご飯
私が最も印象深かったストーリー。
2皿目の「天たまかけご飯」
和食料理人の魂が主人公に乗り移るんですが、初めて聞く料理に「はて?」と首をかしげました。
口数の少ない和食料理人である、銀二さんが食べさせたい料理が「天たまかけご飯」
卵を天ぷらにするんだそうで…想像するだけで難しそう。
一度食べてみたいものです。
銀二さんが食べさせたい相手は家族や友人ではないのですが、家族のように深い愛情がありました。
私はこの銀二さんの懐の深さと愛情を感じて、ほろっと泣いてしまいました。
言葉にして想いを伝えなくても通じ合っているものを感じます。
料理で伝えられるのだ、と。
そう感じるようになった日から、私は夕食作りが憂鬱だったのですが楽しめるようになりました。
食べてくれる人の顔を見れるって幸せなことなんですね。
そして、主人公の哲史からも優しさが垣間見れます。
登場する人物への配慮、気遣いができる好青年です。
登場人物みんなが良い人というわけではありまんが、心もお腹も満たされる小説です。
食べ物系小説を〈Audible〉で聴く魅力
今回もAmazonのオーディオブック【Audible】にて耳で読書しました。
これは衝撃でした。とにかく食べ物系小説と【Audible】の相性が良い!!
飯テロです。
料理をする様子が丁寧に描かれていて、見るまに美味しそうな定食が完成していく。
完成後の食レポも最高で、今日の晩ご飯は絶対これで決まりだ!と思ってしまいます。
登場人物は多数ですが、声優さんはお一人。声色を変えて朗読されるのでドラマを見ているようで楽しかったです。
この作品は「Kindle Unlimited」も対象なので活字で読みたい方にもおすすめです!
久々に小説を読みましたが、表紙の雰囲気のとおり温かいお話でした。
【神様の定食屋】はシリーズ4作が出版されています。
ごちそうさまでした!